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股関節:ジャンプの重心やフォーム向上                        



 

 ジャンプと股関節の関係


1.ジャンプの動作分析
 
ジャンプ動作は全身運動ではありますが、やはりその多くが下半身の能力によって発揮されております。ジャンプ動作でもランニングジャンプや垂直跳びなどの色々なジャンプ形態がありますが、今回は両足踏切での垂直ジャンプについて説明していきたいと思います。
  
ジャンプ動作において動員される筋力は主に、大殿筋,ハムストリングス,大腿四頭筋,下腿三頭筋となります。これらの各筋肉の出力や発揮されるタイミングは、ジャンプフォームによって異なります。ランニングの動作分析でも説明しましたが、ジャンプ動作においても股関節の屈曲角が大きい際には大殿筋が強く働き、股関節が伸展していくにつれてハムストリングスの働きが大きくなっていきます。これはハムストリングスが二関節筋であることが関与していて、股関節屈曲時には重心を保つために膝関節が屈曲位となり、ハムストリングスの張力は最大にはならないためです。

 ジャンプ動作での適正な筋力発揮は、そのフォームによってもろくも崩れます。大殿筋の使用頻度が著しく低下していたり、大腿四頭筋が必要以上に動員されていたりと、なかなか容易なものではありません。ジャンプの正しい動作を理解し、適切な筋力トレーニングとフォームによってジャンプ能力を向上させましょう。



●股関節の屈曲角と重心位置


 ジャンプ動作時に大殿筋の出力を最大限に上げるためには、股関節の屈曲角をできるだけ確保することが重要です。具体的に股関節の屈曲角を確保する方法としては、重心を足裏の後方に置くことで股関節の十分な屈曲が可能となります。その際に、大殿筋のテンションを最大限にするためには骨盤の前傾も欠かせないことを追記しておきます。

 また、前方重心では股関節の屈曲角が確保できない理由としては、股関節の屈曲は重心を前方に移動させる動作であり、股関節の屈曲を行なう前に前方重心になっていては、前につんのめって倒れてしまいます。
 しかし、これは大殿筋の筋力発揮に限ったことであって、ジャンプ動作の終始にわたって後方重心がいいというわけではありません。最後まで後方重心のジャンプでは、大殿筋やハムストリングスの力が地面に効率的に伝わりません。

 ジャンプ動作の終盤では、前方重心となって蓄えられた力を、下腿三頭筋の働きによって効率的に地面へと伝えることが重要です。従って、ジャンプ動作は後方重心から始まり、股関節の伸展と共に前方重心へと移行していくのが理想と考えられます。




大腿四頭筋,下腿三頭筋の優位型ジャンプフォーム


 大腿四頭筋や下腿三頭筋が発達している選手の特徴は、ジャンプ動作が終始にわたって前傾姿勢であるということです。このフォームは、股関節の屈曲時にも前方に重心があるため、前に倒れないように膝関節の屈曲角を増やし、大腿四頭筋や下腿三頭筋の収縮によってバランスを保っています。

 このジャンプフォームは大きく大腿四頭筋に依存しており、素早くジャンプすることができますが、膝関節への負担が極端に多いためジャンパーズニーなどの障害を引き起こすことがあります。

Quad Jump

 

●大殿筋,ハムストリングス,下腿三頭筋の優位型ジャンプフォーム

 重心を後方に置くことで膝関節の屈曲を最小限にして、股関節の屈曲が可能となり、大殿筋のテンションが高まります。そのまま重心だけを前方に移動し、前につんのめる力を利用しながら股関節と膝関節の伸展,足関節の底屈を一気に行ないます。この際、足関節の底屈を爆発的にイメージすると、より効率的なジャンプ動作が行なえます。

Hamstrings Jump