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肩関節周囲炎(五十肩)の説明B                        



 

 

 関節包、烏口上腕靭帯の伸張 
 end feel に弾性的抵抗感がみられる時期が適応となる。関節包と鳥口上腕靱帯の解剖学的位置関係から、
(1) 30°外転位での外旋で前方関節包と烏口上腕靱帯のストレッチ
(2) 上腕外転位での内・外旋で関節包全体のストレッチとともに烏口上腕靱帯と腱板との癒着剥離(可動性拡大)
(3) 骨頭を下方に滑らすよう誘導しながら挙
させ下方関節包のストレッチを行う。
 これらを行う際は、軽い伸張刺激をゆっくり加え、痛みを伴わない範囲か心地よい痛みの範囲で行い、筋による防御反応を誘発させない。
 
 積極的に行えるようになれば、end feel を確認し、軽い痛みの出現を確認したら伸張を止め、痛みが軽減すれば、わずかに伸張刺激を増加させる。
 
 肩甲上腕関節の他動的伸張を行う際は、中枢肢節である肩甲骨を固定しなければ、代償が働くため目的の関節周囲の構成体を伸張することが出来ない。背臥位で行うことで肩甲骨を固定し、肩甲上腕関節の運動を誘導する。 

 

mobilization
 凹凸の法則に留意しつつ、関節包内の関節面の遊びを再獲得して正常関節でみられる運動時の滑りと転がりを修復し、関節可動域を改善させる方法である。 

(1) 回旋運動
 患者は背臥位とし、患者の肘部を把持して、他方の手で肩部を固定する。上腕骨長軸に沿って骨頭を関節窩に押し下げつつ肘部を回旋(分回し)させる。
(2) 前・後運動
 患者は腹臥位で、肩甲上腕関節に少し牽引を加えながら、前・後方向に反復運動を繰り返し行う。
(3) 側方引き離し運動
 患者は座位か背臥位で、術者の手を患肢の腋窩に入れ、もう一方の手で関節窩から骨頭を側方へ引き離すようにする。
(4) 下方への滑走
 術者は疼痛を生じない範囲で外転位に保持し、上腕の長軸に牽引を加えながら、骨頭を下方に滑走させるように圧を加える。 



(筋力回復運動)
 肩甲上腕関節および肩甲胸郭関節の可動域がある程度拡大してから行う。ゴムバンドや鉄亜鈴などを用いて行い、筋萎縮や筋力低下している筋を対象とするが、主に外旋・外転筋力訓練を行う。

運動機能改善としては Cuff-Y exercise が有名である。Cuff-Y exercise は、腱板の機能不全に対して行う biofeedback 概念を応用したプログラムで、outer muscles が inner muscles である腱板より強く収縮しないように筋活動パターンを変化させ、機能的バランス、動作安定性(挙上時の骨頭の下降)を得る方法である。
 肩甲骨の上方移動、上方回旋が少ない場合、僧帽筋の再教育やプッシュアップによる前鋸筋訓練、拮抗筋である小胸筋のストレッチ等を行う。 


(滑車運動) 
 自動運動に近いこの訓練は、骨頭が関節窩に対して下方に滑走する正常に近い運動が取得されてから行うべきである。イスに座り、患者の頭上かやや頭上後方の滑車からロープを吊るし、両手でしっかり握る。両肘関節は伸展位のまま、手を交互に上げ下げを繰り返す。屈曲から始め、外転、伸展の順に進めていく。