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肩関節周囲炎(五十肩)の説明A                        



 

 

【拘縮期(後期)】 

1.症状 
 運動時の激痛、安静時痛が消失し、症状の主役が拘縮に変わる時期を示す。疼痛性痙縮期に激痛があった症例では疼痛性運動抑制がなくなり、かえって可動域が増すこともあるが、一般に可動域は徐々に減少し、やがて一定となる。運動制限は全運動に及び、特に外旋・内旋・外転で著しい。 

 

2.治療
 拘縮の除去が主目的であり、日常生活指導と理学療法が治療の中心となる。この時期は炎症後の線維化による拘縮が進み、肩甲上腕関節の可動性が著しく低下している場合がある。

 
 日常生活指導 
 疼痛性痙縮期と同じく、継続して指導する。疼痛や可動域の改善に合せて徐々に患肢の使用範囲を拡大させ、自主訓練などの自己管理も指導していく。

 

 理学療法(可動域訓練が中心) 

 下方関節包が短縮していたり、腱板の骨頭を関節窩に引きつける求心力が低下している場合、自動運動で上肢を挙止すると、骨頭の下方移動が障害され、上腕骨頭を包む腱板と、これを上方から覆う烏口肩峰アーチと衝突が生じ、運動痛を誘発したり、この部分の炎症を生じさせてしまう 1。  

 Codman の stooping exercise
 自動運動にて運動痛が誘発される場合に、この訓練が適応となる。まず開脚立位姿勢を取り、必ず体幹を腰のあたりで前屈位をとり、上肢は脱力したように下垂させ、肩周辺部の筋を弛緩させる。手関節部に11.5kg の重錘バンドを巻くか、手にアイロンなどを持たせる。次に振り子様運動を始めるが、その際、脊柱の柔軟性を生かして体幹を上・下に振って脱力した腕の振り子の振幅を前後、左右、回旋方向に導く。下垂した患肢を意識的に振ると、肩関節周囲筋群が肩甲上腕関節の運動をブロックするように働くので、上肢の脱力を徹底させる。 


 contract relax
 筋の伸張性が低下して可動域制限を生じている場合、可動域制限最終域において、拮抗筋の等尺性収縮を行う方法を一般的に contract relax と呼んでいる。最大収縮後の筋弛緩、等尺性収縮によって起こる熱産生、ポンプ作用による静脈還流促進により可動域が改善すると言われている。また、疼痛を誘発せず筋と関節周囲の構成体との可動性を増し、筋萎縮を改善する有効な方法である。外転や外旋を改善する場合は、肘関節屈曲位、肩関節軽度外転位にて肩関節の内転運動、肘関節屈曲位、回旋中間位にて前腕遠位部を把握して肩関節の内旋運動を、徒手にて抵抗をかけて行う。 5秒間持続収縮させ休憩、これを1030回行う。