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肩関節周囲炎(五十肩)の説明@                        



 

 

五十肩とは「すでに知られている内因性肩関節障害を除外し、肩の動きが自・他動ともに有意な可動制限を特徴とした、原因が明らかでない状態(病態)」と定義され、すでに明らかになっている疾患以外の疾患をさす。

明らかになっている疾患とは、上腕二頭筋長頭腱炎、外傷性拘縮肩、腱板断裂、腱板不全断裂、変性性腱板炎、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性腱板炎、動揺性肩関節(不安定症)、インピンジメント症候群などである。 

 症状は3ヶ月〜2年くらいといわれているが、個人因子によるところが大きく、その状況にあった理学療法が必要である。

 

【疼痛性痙縮期(前期)】 

1.症状 
 症状発現から増悪する時期をさす。症状出現時期は大多数ではっきりせず、部位が特定できない漫然とした痛みが最初の症状である場合が多い。原因不明であるケースが多いが、なかには軽微な外傷が誘因となるケースもある。痛みは出現すると急速に増強し、運動痛、安静時痛、ときに肘外側から前腕橈側(C5, 6 頸神経支配)に拡がることもある。 

 患者は痛みを回避するため、患肢を内転・内旋位とし、重症例では患側肢前腕を健側肢で支える。肩甲上腕関節の運動が著しく制限され、上肢の使用の際は肩甲骨の代償運動(肩すくめ)が出現し、頸部から背部の筋に過負荷が生じる。 

 

2.治療 
 「五十肩」の治療に関する一致した方針や見解はいまだにない。現在治療の主目的は、疼痛と可動域制限の二大症状の改善である。

疼痛性痙縮期は炎症による疼痛が筋痙縮を誘発し、筋痙縮がさらに症状を増悪させる悪循環を形成していると考えられる。 

 

日常生活指導
 炎症に対しては、上肢の安静を保たせ、局所を機械的に刺激させないことが基本である。この安静の程度は、重量物を持つことや痛みのある動作を徹底的になくすように指導する。
 また、逆に安静の取り過ぎは、長期の内旋位保持を行うこととなり、烏口上腕靭帯や腱板疎部などを含む前方関節包の短縮を招き、拘縮を助長するので注意
する。 

 

<理学療法>
 基本的には、積極的、強制的な肩関節可動域訓練は行わないという意見
が多い。 

(寒冷療法) 
 氷を入れた袋やクリッカーにて疼痛部にアイス・マッサージを10分程行う。肩周辺の疼痛の軽減や筋スパズムの抑制、炎症および浮腫の抑制などの効果が期待できる。 

(温熱療法) 
 ホットパック、極超短波、超音波、マッサージなどにて、炎症性滲出液の吸収、局所循環改善、除痛、筋痙縮の軽減を目的に行う。しかし、悪化をきたすこともあるので、たえず臨床症状を詳細に観察する。 

運動療法
 この時期は炎症を静め疼痛を早期に軽減させることに全精力を傾け、機械的刺激によって炎症を増強させてはならない。筋緊張を軽減し、リラクゼーションを得るため、痛みを伴わない他動的な訓練が中心となる。 

・振り子運動
 疼痛が軽減すれば、可能なかぎり早期の振り子運動を勧めるが、アイロンや重錘などを持たせるのは悪化させることもあるので、この時期には、単にだらりと手を下げた前かがみ運動のみにとどめておくほうが良いという意見もある
 。 

・ストレッチ訓練
 この時期のストレッチ訓練は、伸張反射を招かないようにゆっくりと持続的に行う。疼痛が強いときは行わないほうが良い。反動をつける動的ストレッチは伸張反射を誘発しやすいので通常は行われな
い。