☆診断☆ 外傷に続発して起こる肩関節部の腫脹、運動痛、圧痛などであり2~3日後に前胸部から肩、肘にまで及ぶ皮下出血をみる。骨片同士が食い込んで一塊となっている嵌入骨折では、運動痛は軽い。正確な2方向のX線像により、脱臼との鑑別や骨折線、転位の程度などを把握する。まれに腋窩神経麻痺を合併する。
☆整形外科的治療について☆ 1.手術的治療→転位の著明な症例に行われる ORIF:観血的内固定 ・2-part骨折 保存療法かあるいは低侵襲の内固定がなされる。整復後安定性に不安がある場合は、2~3本のKirschner鋼線やRush pin、Ender釘などにより髄内固定が行われる。 3-part骨折では保存的治療と観血的治療とで意見の分かれるところであるが、観血的治療のほうが成績がよいとする報告が多い。 4-part骨折における骨接合術例の20%に良好な結果が得られるとの報告もあるが、高齢者では安定した成績が期待できないため、人工骨頭置換術をすすめる報告が多い。4-part骨折は脱臼骨折とともに高率で骨頭壊死が生じる。骨頭壊死が危惧される場合は関節に圧迫ストレスを与えてはならない。 |