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肩板断裂のゼロポジションと固定期                        



 

 

観血的療法後における理学療法(ゼロポジション固定を施行後)

 

)ゼロポジション固定期(術直後〜3週)

 手術直後はベッド上にてゼロポジション位で牽引した後、外転装具やギプスを用いてゼロポジションによる固定を行う。

 術後35日より患肢の血流促進とRSDの予防を目的に、肘関節の屈伸運動、前腕回内外運動、手・手指の運動を開始する。前腕部での痺れなど感覚障害の有無を確認する。

 術後6日以降から、肩関節屈曲および挙上位における内外旋方向への他動運動を開始する。その際、棘上筋腱が肩峰下でimpingementを起こす可能性があるため、修復した腱に負担をかけないようにscapular plane上で運動を行う

 ゼロポジション固定位は関節の構造上、内旋制限を伴う肢位であることも考慮して、疼痛を誘発しないように注意する
。また他動的内旋運動によって肘関節に疼痛を発生させる危険性があるため、セラピストは患者の肘関節を最大屈曲位として前腕部と上腕部を挟み込むように把持して、徒手的に上腕骨軸を中心に内旋運動を行う。プーリーを用いた頭上滑車運動も実施する

 

ⅱ)ゼロポジション固定位からの下降期(36

 組織学的知見では3週間で線維化細胞が増殖し抗張力も増すので術後3週以降にゼロポジション固定から徐々に挙上角度を下げて56週で下垂位とする。

 3週後、背臥位での肩関節屈曲の等尺性運動を開始し、疼痛の有無をみながら等張性運動へ進めていく。次に背臥位から、抗重力位となる座位・立位にて等尺性運動から等張性運動へと実施する

 経過の中で、抗重力位における自動運動やサンディングボードによる運動で疼痛や挙上困難感を見ながら、固定位の下降角度のペースを検討する。同時に、
肩甲上腕リズムの習得を目的に、徒手による自動介助運動や棒を用いた体操を開始する。


)装具除去期(6週以降)


 修復腱は56週で癒合が完成する事から、外転装具もしくはスポンジバッグを除去し、下垂位における肩関節外内旋の伸張運動を開始する。その際、自動運動が十分に行える事を確認してから、徐々にその強さを調整していく。

 また腱板を中心とした抵抗運動も開始する。具体的には、前述したように骨頭運動を考慮し、近位抵抗により腱板に対する選択的抵抗運動を実施すると良い。
術後2ヶ月から、肩関節および肩甲骨周囲筋を含めた軽い抵抗運動や、結帯動作など伸展・内旋・内転の複合的関節運動も実施する。

 
術後3ヶ月から積極的な抵抗運動を開始し、肩甲骨周囲筋の筋力強化を図る。また筋力強化のみならず、筋持久力改善も考慮して負荷や回数を決定する。この時期からは軽作業も開始し、4ヶ月ごろには職業復帰を許可する。