五十肩(肩関節周囲炎)とは
「すでに知られている内因性肩関節障害を除外し、肩の動きが自・他動ともに有意な可動制限を特徴とした、原因が明らかでない状態(病態)」と定義され、すでに明らかになっている疾患以外の疾患をさす。
明らかになっている疾患とは、上腕二頭筋長頭腱炎、外傷性拘縮肩、腱板断裂、腱板不全断裂、変性性腱板炎、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性腱板炎、動揺性肩関節(不安定症)、インピンジメント症候群などである。
初期には疼痛が主体で、徐々に可動域制限が出現する。症状は3ヶ月〜2年くらいといわれているが、個人因子によるところが大きく、その状況にあった理学療法が必要。
反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)
RSDは、外傷、手術のみならず、心筋梗塞や片麻痺でも出現する場合があり、原因が特定できないことも多い。GIBBONSらのRSDスコアなど、様々な診断基準があるが急性期の診断の中心となるのは、疼痛、発赤、腫脹、皮膚温の上昇である。しかし、炎症の所見と似通っている部分が多い。
カウザルギーとの分類は、神経損傷を伴っているか伴っていないかである。明らかな神経損傷を伴っているものはカウザルギーで、そこまでの損傷がないものはRSDである。
最近では、RSDの中にも、交感神経が関与していない症例がいることが判明したため、交感神経にアプローチしてもまったく効果がない患者がいた。そのため、反射性交感神経という名称は正しくないため、「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」という用語が生まれた。
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