☆経時的リハビリテーションプログラム☆(No.2) ACL再建術は受傷3~5週間後に施行されるのがよいとされる。この間の理学療法の目的は、正常な関節可動域の獲得、関節腫脹の軽減である。受傷直後はアイシングを主体としたRICE(Rest, Ice, Compression, Elevation)処置を行い、徐々に術後にも施行されるような愛護的な関節可動域訓練を行う。 ACL再建術後の理学療法において重要なポイントは再建靱帯へのリスク管理であり、特に膝伸筋強化の際に注意が必要となる。
①関節可動域訓練 ギプス固定は行わず、術後2日目より病棟においてCPM(continuous passive motion)によるROM訓練を20~90°より開始する。術後7日目より訓練質にて愛護的なROM訓練を0~130°を目標に開始する。 ② 術後7日目より1/3荷重より歩行訓練を開始し、2週間程度で全荷重としている。荷重量が再建ACLに与えるストレスは明確ではなく、それよりは膝の屈曲角度や体幹の前傾角度の違いが影響する。
下肢の筋力強化訓練はスクワットやレッグプレスのように足底に荷重をかけた状態で行うCKCとレッグエクステンションやレッグカールのように足部が接地せず自由になった状態で行うOKCに大別される。
大腿四頭筋の筋力強化訓練を伸展域で施行する場合、通常のような下腿遠位抵抗でなく、ゴムチューブのような弾性力のるバンドを下腿近位にかけ、これを抵抗とする近位抵抗が推奨されている。この訓練では、前方剪断力を抑える効果が期待できる。
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