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理学療法の知識と基礎 病院・クリニック・介護施設の勤務を経て辿りついた思いです.

下腿コンパートメント症候群について           

コンパートメント症候群とは

四肢の骨と筋膜によって構成されるコンパートメント(区画)の内圧がなんらかの原因(打撲、骨折、脱臼)によって上昇し、血行障害や神経障害をきたして筋肉の機能不全や筋壊死にいたる障害である。

一旦組織が壊死に至ると、機能障害は永久的になる為、初期の迅速な判断が重要。特に下腿は筋膜などにより4つの小さい区域に区画(コンパートメント)されている為、内圧が上昇しやすい。
 原因:骨折、脱臼、打撲(外傷性筋肉内出血)、浮腫、ギプス固定など外的圧迫や絞扼、スポーツなどによるオーバーユースetc


下腿コンパートメント症候群とは

下腿のコンパートメントは強い筋膜によって、4区画@前方、A側方、B浅後方、C深後方に分けられている。@前方には前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋が存在し、A側方は長・短腓骨筋、B浅後方は腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、C深後方は後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、で構成されている。




コンパートメント症候群に陥ると、各部位での疼痛、腫脹〈しゅちょう〉、圧痛、硬結(しこり)、運動時痛、コンパートメント内にある神経麻痺による知覚麻痺、他動的運動障害、他動的運動時痛を認める。