梨状筋症候群 梨状筋症候群とは坐骨神経が骨盤から足先へ下降する際に、骨盤の出口に存在する梨状筋によって坐骨神経が圧迫して起こる疾患である。外傷(臀部打撲や股関節捻挫など)によって発生する場合と、スポーツ活動・ランニングなどによって発生する場合がある。 症状は臀部の痛みや足先へ放散する痛み、痺れ感です。いわゆる根性坐骨神経痛様の症状を訴える。しかし、レントゲン検査では特徴的な異常所見を認めない。診断は梨状筋周囲に局所麻酔剤を注射して、症状が改善されれば確定される。 尚、同様な症状を呈する疾患として腰椎椎間板ヘルニアがあるので鑑別(見極め)が必要である。 外科的治療としては保存的治療が原則。まず安静を指示し、スポーツ活動を一時中止して頂きます。痛みに対しては非ステロイド系抗炎症剤や筋弛緩剤、ビタミンB製剤を処方。頑固な症例では神経ブロック療法として坐骨神経ブロックなどを試みる。これらにて症状が改善しなければ、梨状筋切離術を検討します。 私の考え・・・ 純粋な梨状筋症候群は外来患者としてはほとんど見られない。しかし、梨状筋のtightnessがあるだけでこの病名がつけられることはある。ほとんどの場合、変形性腰椎症とのダブルクラッシュシンドロームが原因で痺れや痛みが出ていることが多い。 股関節OAにおきることが多いが、膝OAや足関節の病変による歩容の変化よって起こることもある。 どこから原因が来ているか評価をしっかり行う必要がある。リハビリの基本は股関節の柔軟性を高め、殿筋を鍛えることが一般的だが、骨盤の前後傾の動きや足底の重心にも注目する必要がある。 |