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理学療法の知識と基礎 病院・クリニック・介護施設の勤務を経て辿りついた思いです.

脊柱管狭窄症 病態とリハビリ@

脊柱管狭窄症          

病態

腰部脊柱管が先天的・相対的に狭い状態になり、加齢、変性に伴う骨肥厚,骨棘形成、軟部組織の肥厚などのため、馬尾神経や神経根が脊柱管の中で絞扼され、馬尾神経性間欠性跛行などの特有な神経症状を呈するに至った状態を腰部脊柱管狭窄という。

 腰部脊柱管狭窄症の本態は骨性因子、椎間板性因子、黄色靭帯因子などがさまざまな程度で関与した神経圧迫と、それによる神経血行障害がその病態と考えられている。

分類
本性の分類としては、1976年にArnoldiらの発表した国際分類が現在最も広く普及している

@先天性(発育性)脊柱管狭窄

脊柱管が正常より狭く成長したために生じた狭窄である。特に軟骨無形成症achondroplasiaの狭窄は代表的かつ、高度である。

A後天性脊柱管狭窄

 (a)変性脊柱管狭窄:患者のほとんどはこの原因による。変形性脊椎症による狭窄は男性に多く、多椎間に認められるのが普通である。一方、変性すべり症による狭窄は女性に多く、多くはL4-5椎間に生じる。
(b)合併狭窄症:先天性(発育性)狭窄と変性脊椎管狭窄が合併したり、変性脊椎管狭窄に椎間板ヘルニアが合併したりする場合をいう。
(c)医原性脊柱管狭窄:腰椎疾患に対しかつて受けた椎弓切除や脊椎後方固定術のあとに脊柱管が狭窄して症状が惹起されている病態をいう
(d)外傷後の脊柱管狭窄

 (e)その他:骨Paget病など。

a.正常,
b.先天性あるいは発達異常としての狭窄症,
c.脊椎症性狭窄症,
dはbに椎間板ヘルニアを合併,
eはcに椎間板ヘルニアを合併,

fはdにcの合併(Arnoldiより)

圧迫部分は中央部分よりやや外側にあるのが大半で、狭窄があると小さな椎間板ヘルニアでも症状を顕著に発現する。