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足関節の機能構造  歩行時の足の動き



 


<動きの基礎>

 距骨滑車は前方が後方より3〜5mm幅広く底背屈の際にankle mortiseの幅が変化しなければ正確な適合性は得られない。
背屈時にはankle mortiseに挟まれ骨的に安定するが、底屈時には遊びができて不安定になる。
安定すれば固定力が増し力を伝えることが容易になり、不安定になれば遊びが増し自由に関節が動くことができる。

 前足部に体重がかかり、足関節が底屈すると腓骨は2.4mm下降する。
これは長腓骨筋・後脛骨筋・短母指屈筋が作用して腓骨を引き下げ、ankle mortiseを深くしている。
さらに、15〜20°斜走している下腿骨間膜に導かれて外果が内方移動することにより、安定性を向上させている。

 腓骨は底屈時に下制・閉締・外旋の動きが出現し、背屈時に挙上・開排・内旋の動きが出現する。



<歩行時の動き>
(ST関節=距骨下関節)(MT関節=横足根関節)

 踵接地では軽度回外位で接地し、踵が接地すると同時にST関節は回内、下腿は内旋し、足部は下腿とともに内旋・内転する。
足部は全体として2°内転するが、ほとんどがST関節によるものである。

 前足部に体重がかかると、足部と床の摩擦により足部の内転は制限され、ST関節回内は接地期を通して続く。この動きで距骨を内転させるのである。

 立脚中期では下腿は外旋し、ST関節も回外する。距骨は外転するのに対し踵骨は床に接地しているため回外し、そのうえで足関節が背屈する。
 ST関節は回内位から回外が出現し、踵離地直前に中間位に達する。
その後も回外運動を続けることで回外位になる。
 
 推進期では下腿外旋とST関節回外が、足尖離地直前まで続く。



<足関節の機能>

① 接地期での足部関節の動きは足部を地形変化に適応させ、また姿勢平衡を保つための体幹の姿勢偏移に適合させようとする。接地期でのST関節回内はそのための関節運動性を準備している。

② 足部関節の固定性向上は足部を強固なテコに変化させ、正常な推進を行うために必要なものである。立脚中期ではST関節、推進期ではST関節とMT関節で固定がなされる。

③ 足部の関節運動は過重負荷された足部の上で、下腿と体幹の矢状面と水平面での運動に備えている。歩行による回旋転換という運動の効率を調節している。

④ ST関節回内は接地時の衝撃を吸収する。

⑤ MT関節縦軸での回内は一足から他足への体重移動を効果的に行うために必要な機能である。



私の考え・・・
 足関節は他の関節に比べて非常に複雑である。
 動きを覚えただけでは臨床で生かすことは難しく、日々動きの確認をして眼の感覚を養わなければならない。
 荷重をかけるだけでなく、他方の下肢への体重移動をスムーズに行うためには、ST関節〜足趾の動きが大切である。
 臥位では踵骨回内回外が動きとして出現していても、荷重下では動きが出ないことが多い。その場合は距骨の動き、脛腓関節の開き、下腿の内外旋の程度、縦アーチ・横アーチの高さなどの確認をすることである程度原因が判別できる。
 しかしながら、膝や股関節の固さ・筋力低下により足関節に痛みが生ずることもあるため、下肢全体の動きを捉えていかなければいけない。