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理学療法の知識と基礎 病院・クリニック・介護施設の勤務を経て辿りついた思いです.

腹の筋肉の作用           
 

腹の筋肉

体幹後面の筋・・・  浅層:僧帽筋、広背筋、肩甲挙筋、前鋸筋

中層:上後鋸筋、下後鋸筋

深層:@ 脊柱起立筋(棘筋、最長筋、腸肋筋)

A     横突棘筋群(半棘筋、多裂筋、回旋筋)

B     棘間筋、横突間筋

体幹前面の筋・・・ 腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋

その他・・・腰方形筋、腸腰筋

・腹横筋は横断的に走っているため、下肢挙上では筋力向上は認められない。

  腹横筋が収縮することにより骨盤底筋が収縮し腹腔内圧を上昇させる。骨盤底筋が収縮すると膀胱の形も変化する。

・実験結果によると、立位状態での尿止め課題と臍挙上課題では優位な差が見られなかったが、骨盤底筋の収縮は尿止め課題の方が有意に働いた。このことから、体幹スタビリティーの向上としてだけ見るならば、尿止め課題のほうが効果が高い可能性がある。

  内腹斜筋の下部繊維は腹横筋と同方向に走行している。下部繊維では筋膜・筋束に連結が見られ、また腹直筋鞘においても連結が見られることから部分的には内腹斜筋と同時に作用する可能性が見られる

・腹横筋は外腹斜・内腹斜とは独立して制御されていることが確認されているため、いわゆる普通の「腹筋運動」では強化することが出来ない。

腹横筋は、動作に先行して予測的に姿勢を制御するなど体幹の安定性に重要な筋肉である。また、腹部内臓を圧迫し、腹腔内圧を高め、横隔膜を押し上げることで強制呼気に作用している