【内側半月板】 脛骨内側関節面 (内側コンパートメント)にあり、形状はC型をしている。 前後移動幅は成人で約6mm、可動性は小さい。 内側では内側半月に癒着する関節包、内側側副靭帯(MCL)がある。内側半月板は前角および後角まで全域に及び周囲の関節包や関節包を介してMCLと密に連続しており、膝関節外旋時に内側半月の移動を抑制する。屈曲時のMCLの後方移動により半月板を牽引し、伸展時のMCLの前方移動により牽引して動かす。 内側後方においては半膜様筋が内側半月に線維を送っている。この筋肉は膝関節外旋を抑制する働きもあるが、膝関節外旋時には内側半月を後方に引く作用がある。 その他には、内側半月板は蜜に連結している、内側側副靭帯後斜走繊維や半月大腿靭帯の弛緩により後方に移動する。 膝深屈曲では大腿骨内側かの後上方が脛骨後縁と衝突することにより、内側半月板に乗り上げるようにlift offが生じている。 【外側半月板】 脛骨外側関節面 (外側コンパートメント)にあり、形状はO型をしている。 前後移動幅は成人で約12mm、可動性は大きい。 外側側副靭帯は外側半月と接していないので、外側半月を外側から制御するのは関節包だけとなる。しかし、外側半月は前方では関節包との癒合があるが、後方では関節包と接していないので、外側半月は前部と後部における運動に違いが現れ、後部の運動が大きくなる。 外側半月後角から前半月大腿靭帯〈Humphrey靭帯〉と後半月大腿靭帯〈Wrisberg靭帯〉が連絡している。また外側後方では終末回旋によるLookを外す膝窩筋が外側半月に線維を送り、膝関節外旋時の外側半月前方移動を抑制する。 外側は前角・後角以外の連続性は粗く、後方1/3は完全に遊離している。 深屈曲位での大腿骨外側顆は脛骨の関節面から明らかに脱落している。また、外側半月板の脱落は大腿骨外側顆に押し出されるように大きく後方へ移動する。その分、半月板の可動性を大きく要求される。 【内・外半月板】 伸展時には大腿四頭筋の収縮により、両側の半月板を連結する横靭帯を前方より牽引する膝蓋下脂肪体や半月板と直接結合を持つ内側・外側半月膝蓋靭帯が緊張して前方への移動を誘導している。また、伸展時の内側側副靭帯後斜走繊維や半月大腿靭帯の緊張も半月板を前方へ移動させる。 この様に、関節包や靭帯といった筋運動に伴って二次的に作用するものと、半膜様筋、膝窩筋という直接的に運動に参加する組織によって関節半月は細かく運動を制御されている。 私の思い・・・ 半月板は構造が簡単そうで奥が深く、損傷したときにリハビリが難しい疾患のひとつである。 半月板損傷では痛みが強いため、どうしても防御性収縮が強く出てしまう。防御性収縮が出たままだと、リハビリもはかどらず治療成績もよくならない。まず初めに病態説明をしっかりとして信頼関係を結ぶことが大切である。 半月板損傷で痛みのないリハビリを行うためにも、半月板の触診が必須である。触診できる部位は限られるが、内側・外側半月板ともに触診をして、関係のある筋を強く収縮させることによって半月板の大きな動きを確認していく。その際に痛みの出現を確認しながら行うことで、ADLにつなげていく。 もちろん、外傷からの損傷時には周囲の靭帯のストレステストなども併用してリハビリに繋げていかなければならない。 |