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膝の関節  大腿脛骨関節FT関節



 

【膝の関節】
 
膝関節は大腿骨・膝蓋骨・脛骨・腓骨の関節からなる。
 このうち近位脛腓関節は独立して存在し、動きの範囲も小さいため、ここでの問題は起きにくい。
 
 膝関節は、骨形状よりむしろ軟部組織により主たる制動を受けて安定性を得る。
 大きな大腿骨顆部は、脛骨のほぼ平らな関節面と関節を形成し、広範に広がる靭帯性関節包と大きな筋群によって確実に保護されている。

 膝は大きな可動性を持ちながら、各屈曲角度で荷重に耐える十分な関節安定性も要求される。そのため、股関節のようなボール・ソケット型ではなく複雑な機構を有した関節となっている。そのため、骨の形態だけではなく軟部支持組織の理解も必要である。
 


【大腿脛骨関節】(FT関節)

 関節を正面から見た場合、平坦な脛骨上を丸い大腿骨が滑る形となる。しかし大腿骨内・外側は円ではなく、前方部分では屈曲半径が大きく伸展位では脛骨と接する部分が大きい。逆に屈曲位では接する面積が小さく、可動性に有利な形となっている。

 脛骨を見ると、内外側顆ともに後方にやや傾斜しており、屈曲しやすい形になっている(後傾角)。また、荷重軸に近い内側顆はやや凹になっており凸面である大腿骨内側顆との安定性が高い。脛骨外側顆はやや凸面をなしており、同じ凸面である大腿骨外側顆との可動性は高い。このように、内側は安定性に優れ、外側は可動性に優れた形態をとっている。


 FT関節は大腿骨長軸と脛骨長軸では約7°の外反角を有する。これは大腿骨頸部が内反(頚体角)しているために大腿骨長軸が荷重線からはずれる。しかし、脛骨は関節面が荷重線に対してほぼ垂直である。約7°を超えるものを外反膝・内反膝という。

 また、脛骨関節面上には顆間隆起があるが、これは内外側の安定に関与している。
 ちなみに、腓骨は荷重を受けない骨である。脛骨が足部に荷重を伝達する役割がある。



私の思い・・・
 脛骨の内側は凹で外側は凸である。元々の骨の形が荷重を受けやすい形になっており、これだけでも膝OAで内側裂隙が狭小化しやすい理由が分かると思う。
 臨床で膝OAは触れることが多い疾患であるが、骨自体が変形しているため可動域制限やクリック音など治療できない部分も多い。しかし、正常な骨の形態さえ理解していれば、レントゲンを見ただけである程度の可動域制限や痛みの出現部位などを予測することができる。
 そうなれば、治らない可動域制限にリハビリ時間をかける事もなくなるし、治療しながら骨のアブノーマルな動きを感じることができる。
 膝の伸展制限があると、スクリューホームムーブメントが出ずに、安定性も悪くなり側方動揺も出現しやすくなる。そうなれば、動揺を制御するために腸脛靭帯の緊張が高まったりするなど、さらに悪循環に陥ってしまう。
 膝の疾患であっても、股−膝−足の荷重関節を一体として診ていかなければ治療成績のよい結果は出ないだろう。