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足関節の機能構造  立脚中期の運動



 

立脚中期

ST関節回外と下腿外旋の加速


  接地期でST関節回内と下腿内旋を減速した後脛骨筋・ヒラメ筋・長母趾屈筋・腓腹筋はST関節回外と下腿外旋の主要な同筋となる。腓腹筋は大腿骨顆部の後方表面の起始部を近位に収縮力を働かせ、カーフ筋が下腿外旋をしている間に大腿骨外旋を加速する。
 立脚中期では回内位から回外し後半で中間位に達し踵離地直前に回外位になる。また後半では長・短腓骨筋はカーフ筋の回外力に拮抗してST関節の回外量をコントロールしている。


脛骨の前方モーメントと膝伸展の減速

 立脚中期での直線的加速は荷重負荷された足部の上で大腿骨と脛骨を前方へ運び、この脛骨の前方モーメントは足関節背屈を生む。
 接地期前半で足関節は底屈、後半で脛骨が足部の上で前方移動すると同時に背屈し始める。立脚中期でも背屈し続け踵離地まで背屈し続ける。

 体幹の直線的加速と関連する力学的な力は下腿と大腿を前方へ運び、脛骨の前方モーメントを減速できなければ前方に倒れこむことになる。
 脛骨の前方モーメントの減速は踵離地の準備として膝を伸展させる。脛骨がカーフ筋で減速し大腿骨が前方移動し続けるために膝が伸展する。
 
膝伸展を補助する筋は後脛骨筋・ヒラメ筋・長趾屈筋であり、立脚中期後半で長腓骨筋の補助を受ける。また膝の過伸展を防ぐために腓腹筋は膝に屈筋力を働かせるように顆と同士、関節外傷を起こす膝の急激な過伸展を防ぐ。
 膝過伸展を防ぐ主な筋肉はハムストリングであるが、臨床的には腓腹筋強化で膝過伸展を防ぐものは多く、歩行に与える影響は大きい。


足根骨の固定

 足根骨は立脚中期で固定される。初期ではヒラメ筋・後脛骨筋・長腓骨筋・短腓骨筋が反応し、後半では足内在筋が補助する。
 足根骨固定に関与する足内在筋は短趾屈筋・母趾外転筋・足底方形筋である。立脚中期でヒラメ筋は足関節を底屈すると同時にST関節を軽度回外する。この底屈-回外力は床に足関節外側を固定する。

 ヒラメ筋により立方骨が固定され、長腓骨筋は立方骨を滑車として外転力を働かせる。長腓骨筋の外転力により足根骨に第1列を固定し、後脛骨筋は足根骨に内転力を働かせる。
 これら2つの筋の同時収縮により足根骨は水平を保つが、後脛骨筋は長腓骨筋よりも強いので、短腓骨筋の補助を必要とする。立脚中期後半で長腓骨筋と後脛骨筋で足根骨を後方固定し母趾外転筋・短趾屈筋・足底方形筋・小趾外転筋で補助をする。


中足骨の固定

 踵離地直後の荷重は前足部ですべて受けるため、中足骨は推進期の前に固定されなければならない。足部が正常な回外肢位であるとき各骨間を圧迫することで支持が得られる。

 立脚中期後半での足内在筋による機能は中足骨と足根骨を他の骨に水平固定することである。中央の24中足骨は、ST関節回外が立脚中期の最終局面で増加すると床に対して回外する。立脚中期後半では床反力によって背屈する。

 直線的せん断力は足底と床で生じる。接地期(後方せん断)と推進期(前方せん断)の2ヶ所で生じる。ST関節が回外位にあるとき、長腓骨筋の収縮は強い底屈ベクトルを生む。

 ST関節が回内位にあるとき、第一列基部は腓骨間溝より高くなる。長腓骨筋収縮は第一列外転力を生むが、底屈力としては作用しない。